お客様が殴られる!
現在の日本は人口動態統計によると、2分10秒に1組の離婚が成立する事になるそうです。 当然、離婚が理由での引越も年々増えてきました。 ある日の事です、女性の方からお見積りのお電話がありました。当然、住所と名前を伺いお客様のところへ行く訳ですが、お客様は話しずらそうに「荷物が今ここには無いんです、別のところにあるのですが、それでも運んで頂けますか?」と言われました。 ここまで来ると我々もハァハ~ン離婚現場だな!とピンときます。以前ならお客様に「離婚か何かですか?」などとは聞きにくいものでしたが、最近ははっきり確認したほうが後々のトラブルも無いため聞きます「離婚か何かですか?」するとお客様は言いづらそうに「ハイ」と答えます、「最近は多いですからそんな場合でもしっかり対応いたしますよ♪」と言うとお客様の声も少し元気になり「お願いします」となりました。 ただ、そんな場合は必ずお客様かご家族などが立ち会って頂かなければいけませんがよろしいですか?と伺うとそちらもOKとの事でした。 「離婚現場」などでは、引越の荷物リストが変更する場合が多々あります!双方のお客様同士で「コレは俺のだ!私のヨ!」などです。したがって今回の引越料金は大まかなリストを伺い、それに合わせたトラックで伺い、トラックに積める分だけ積めば料金が変わらない設定で契約をいただきました。 さて、引越当日はお客様と引越先ちかくのコンビニで待ち合わせをし、お客様の先導で引越先へと向かいました。 そこは田んぼや畑が多くある都心からは少し離れた田舎町でした。その畑の真ん中に「ドーン」と大きなお屋敷がありました。なるほどこんな田舎のお金持ちの家にとついで習慣かなんかが違い大変だったんだろうな~などと考えながら、作業に準備に取り掛かりました。 お客様はお部屋の中でお方付けに入り、我々も準備がほぼ終わりかけの頃に、畑の奥から、おじいさんと、おばあさんが腰を曲げながらも懸命に走ってくるのがチラッ!と見えるやいなや、その老夫婦がお屋敷の中に入って行くと 「キャー!イタイ!ヤメテ~!」とお客様の悲鳴が!その声の元に我々があわてて部屋に入ると、おじいさんがお客様の髪をつかみ殴る蹴る!おばあさんは箒をもて来てお客様を叩くは突くは!私たちはあわててそれを止めると、おじいさんは興奮しながら「どの面さげて家の敷居を跨げるんじゃ!」と怒鳴る!お客様も「嫁入り道具を取りにきただけよ!私のでしょ!」と言い返します。 しかしおじいさんも「浮気して出て行ったもんが何を言っとる!お前のせいでわしら家族は大恥じゃー!何一つお前に渡すもんか!」とそれはそれは大変な大喧嘩。実はこのお客様、浮気をしてなんとその相手の人と暮らす為に黙って出て行ったのです! しかし嫁入り道具を取りに来るために引越会社を依頼したわけですが、田舎でお嫁さんに黙って出て行かれたおじいさん達も、結構な恥をかきかなり頭にきていた訳です。 そこへ、引越会社の大きなイラストの入った当社のトラックが田舎道を走ってくればかなり目立ちますので、畑から飛んで着たというわけです! しかしそんな状態では引越も出来ません。お客様には今日はひとまず帰り、私は「弁護士さんへ相談してみてはどうですか?」と提案しひとまず帰る事となりました。 それから1ヶ月ほどたって「以前ご迷惑を掛けた○○ですが」とお電話が入りました。 やっと離婚の話もめどが立ち、弁護士さんの立会いで荷物を引き取る事が出来ますのでお願いしたいと言う内容でした。そして引越の当日、弁護士さんの指示のもと荷物を運び出す我々を、憎らしそうにみるおじいさんの姿と横には気の弱そうな元ご主人さんが立っておりました。 奥さんも弁護士さんが「水戸黄門の印籠」のようなもので以前よりドーンと構えて無事引越は終了しました。 私が言うのも変ですが、内緒の引越(離婚・夜逃げ・ストーカー対策)は大手引越屋さんはトラックに大きく社名やキャラクターが描かれていますから、小さい業者でトラックに何も書いていない業者が良いと思います。でも必ず2~3社の見積りをとらないと足元を見られますので要注意ですよ(^^)/ ジャンル別一覧
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